医療材料の在庫管理システム(物品管理システム)一覧
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2021年6月14日時点のGoogle検索にて「医療材料 管理システム」「医薬品 管理システム」「臨床検査薬 管理システム」で上位に表示される10社をピックアップしています。
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Pro_GRESS Logistics
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発注送信 品⽬マスタ
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管理 定数管理 償還/薬価
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「用度版」
S-CAS
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ENIFwin Nex-Sus

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物品管理システム
Medicine Supervision
ODSS
医薬品在庫管理システム
システムK-1 CUBE
Icquickstock
検査試薬在庫管理システム
医療材料に対応する
おすすめ在庫管理システム
ここでは医療施設向けシステムの中で医療材料の在庫管理ができるものをリストアップ。それぞれの特徴や機能の違いなどをまとめました。
Medyus2(医療材料版)
医療関連施設向けシステムを専門に提供する株式会社メディアスの医療材料版・在庫管理システムです。独自に収集した医療材料マスタが提供され複数の発注方式に対応。柔軟な設計でカスタマイズ・連携性に優れており、クラウドとサーバー設置型を選べます。
「用度版」
鴻池メディカル株式会社の診療材料管理サービスの一環として提供される管理システム。院内の業務負担軽減のためのメインシステムとして活用され、医事課や事務局の業務負担を軽減。GS1-128利用のトレーサビリティも実現します。
S-CAS
医療用具販売業のソルブ株式会社が自社開発した医療材料消費管理システムです。商社として培ったノウハウが詰め込まれ、バーコードを読み込むだけの簡単操作。トレーサビリティや滅菌期限の管理まで対応します。
Logicare SKY
SPDサービス事業と医療材料販売事業を展開するアルフレッサ メディカルサービス株式会社の医療材料物流管理システム。GS1-12対応で使用単位でのロット管理を行うトレーサビリティ管理が可能。オプションで物品請求の電子化もできます。
HOPE LifeMark-Indii
病院向けのソリューションとして富士通が提供する院内物流管理システム。医療材料・医薬品・検査試薬の管理を中心にコスト分析機能も追加。医療材料費の適正化を促し、業務面からも病院の経営改善をサポートします。
Pro_GRESS Logistics
病院向けの総合コンサルティングを行う株式会社ホスピタルパートナーズの院内物流管理システムです。医療材料はもちろん医薬品、検査試薬、文具雑貨まで管理が拡張でき医療機器の修繕費用なども管理可能です。
ENIFwin Nex-Sus
医薬品販売やさまざまな医療ソリューションを提供する東邦薬品株式会社の統合型在庫管理システム。医療材料を始め、医薬品、検査薬など院内の物流一元化を実現。蓄積データの加工や出力が簡単で他システムとも連携します。
ZERO Supply
ゼロシステム株式会社が提供する院内物流管理システム。診療材料や医薬品、一般消耗品、日用品などの物品管理が可能で運用に合わせてシステムを構築。データはすべてエクセル出力が可能で、統計資料として活用もできます。
MedicalStream
病院向けのシステム開発で長年の実績を誇る株式会社サン・システムの物流管理(SPD)システム。診療材料、検査試薬、一般消耗品、医薬品等の院内物流を一元管理でき、他のシステムとの連携性にも優れています。
Medi-Vit
医薬品の物流管理を目的として株式会社プロゼが開発した総合物流管理システム。入荷・払出・返品すべてバーコード入力対応でモバイル処理も可能。錠単位からのコスト把握や実績分析ができるので在庫ロスを防止します。
物品管理システム(株式会社麻生情報システム)
医療情報ソリューションの一環として麻生情報システムが提供。医療材料を始め、医薬品や事務用品、印刷物なども管理する総合在庫管理システムです。同社が開発した経営管理システムとも連携し管理指標にも活用できます。
物品管理システム(株式会社麻生情報システム)
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Medilia(メディリア)
株式会社ホスネット・ジャパンのMedilia(メディリア)は、病院職員自らSPD業務を効率化できるように作られた病院物流システムです。物流に関する各種情報をデータ化することで精度の高い分析が可能。価格交渉データの作成や医事データとの突合チェック機能など、日常業務をサポートするさまざまな付加機能も備えています。
病院で管理される物品
病院をはじめとする医療の現場では膨大な数の物品が管理され、日々さまざまな部門で使用・消費されています。具体的には以下のような物品が挙げられます。
- 医薬品:治療や予防などに用いられる薬品。内服薬、外用薬、注射薬など。
- 医療材料:医療の提供のために必要な器具類。
- 医療消耗品:マスクや手袋、ガーゼ、包帯、注射針などの消耗品。基本は使い捨て。
- 検査薬:血液や尿などの検体を使用する検査に用いる試薬。
- 医療機器:メスやピンセット、体温計などの小物から検査・放射線装置などの大型機器までさまざま。
- リネン類:タオルや寝具類など。
- その他備品:事務用品など。
物品の管理が正確でなければ、医療の提供に支障をきたします。特に緊急時の在庫切れは絶対に避けなければなりません。もともと医療スタッフは物品管理の専門家ではありませんが、多くの医療機関では医療スタッフが物品管理の業務に従事しているのが実情です。
医療材料と衛生材料の違い
医療行為の提供に必要な医療機器、器具、医薬品を総じて「医療材料」といいます。医療機関では患者さんの治療を正確かつ安全に行なうため、日々膨大な量の医療材料を使用しています。
この医療材料と似ているのが「衛生材料」です。衛生材料も医療材料の一種には違いありませんが、ほとんどがディスポーザブル(使い捨て)製品です。具体的にはガーゼやマスク、グローブ、包帯などを指します。
衛生材料の確保は社会状況に左右される?
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大は、医療機関における衛生材料の確保にも大きく影響しています。各国でマスクやグローブ、ガウンの需要が急速に高まったために生産が追いつかないこと、感染の影響で生産国の製造ラインが止まってしまったことは、衛生材料の供給のほとんどを輸入に頼る日本にとって非常に厳しい状況でした。
依然として衛生材料の供給が不安定な状況は続いており、販売価格の水準もコロナ流行前よりも高いままで推移しています(2023年1月現在)。
衛生材料は医療を提供する上で絶対に欠かせない消耗品です。いかにして衛生材料の安定確保を図るか、皮肉にもその重要性を新型コロナウイルス感染症の拡大が示唆してくれたという見方もできるかもしれません。
医療材料のコスト
病院の経営改善を語る際、医療材料のコストは必ず検討項目に上ります。医薬品を含めた医療材料のコストは、医療機関の規模や診療科にもよりますが、事業収益が60億円以上の医療法人を例に挙げると対事業収益で実に15.8%を占めています(※)。医療材料の在庫管理が病院経営にとっていかに重要かを示している数字だといえるでしょう。
医薬品を除く医療材料は、発注は事務部門、在庫管理は中央材料室、実際に使用するのは医療の現場と関与先が複数のセクションにわたるのが一般的です。そのため、発注から使用まで薬剤師が一貫して関与する医薬品とは異なり、必要な情報も分散しがちです。次々に新製品が発売され、製品の切り替えサイクルが早くなっていることも情報収集を難しくしている一因です。
また、医療材料は使用する医師やスタッフの選り好みがあることも決して無視できません。医療材料の使いやすさが治療の結果に影響する以上、単にコスト面だけでは採用品を決められないということです。
こうした諸々の理由から、医療材料のコストカットは医薬品よりも困難だといわれています。
(※)情報参照元:独立行政法人医療福祉機構「2020年度(令和2年度)医療法人の経営状況」(https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r3/)
医療材料のコストを削減する方法
医療材料のコストを削減するためにしばしば検討されるのが、ベンチマーク分析や共同購入です。
医療材料ごとに単価や購入量を比較することを一般的にベンチマーク分析といいます。この分析によって、自院での納入価格が市場と比較して適正かどうかを判断できます。もし市場の平均納入価格を上回っている医療材料があれば、製品の切り替えも視野に入れた価格交渉が必要です。
また近隣の医療機関と連携して医療材料を共同購入する方法もひとつの手段です。単純に購入量が多ければ値引き率も上がるという考え方ですが、メーカーにとってはエリア全体の取引量が大きく増えるわけではないので、期待したような値引きを得られないかもしれません。共同購入では新たなメーカーを参入させたり、特定のメーカーの購入量を増やしたりする工夫も必要です。
いずれにしても、何より大切なのは自院の診療内容に見合った適正な物品管理であり、それこそがコスト削減の基本です。正確な発注や在庫の管理、棚卸の管理なくしてコストの削減は不可能だということを心得ましょう。
医療機関の物品管理の特徴とは
あらゆる業界において物品管理は重要なテーマになっていますが、それは医療業界でも同様です。
医薬品や医療材料には高額なものも多く、過剰在庫や使用期限切れが健全経営の妨げになることも珍しくありません。また、物品管理はハードワークゆえに人手不足も深刻な問題となっており、業務の効率化が優先課題になっている現状も見てとれます。
このほか、医療機関の物品管理には以下のような特徴があります。
多品種少量ニーズの拡大
従前から政府が推進してきたジェネリック医薬品(後発医薬品)の普及政策を受け、「大量単一品種」から「多品種少量」の供給にシフトするメーカーも増えてきました。医療機関でもジェネリック医薬品の導入が急速に進んだことで採用医薬品数は増加傾向にあり、それはそのまま在庫管理の煩雑化につながっています。
保管場所が医療機関内に点在
医療機関で管理される物品は実にさまざまで、それらの保管場所も倉庫や事務室、滅菌室、冷蔵冷凍庫など医療機関内の各部門に点在していることが多くあります。管理の仕方によっては、どんな物品がどこにどのくらい保管されているのか、正確に把握するのが困難なケースもみられます。
また、保管場所が何カ所にもわたるとスタッフが持ち場を離れることが多くなり、在庫確認や使用期限・返品期限のチェックにも時間を取られるため、人件費の面から考えても効率的とはいえません。
求められるトレーサビリティの確立
医薬品やワクチンなど、多くの医療用物品はロット管理によるトレーサビリティの確立が求められています。これは患者さんに対して常に安全性の高い医療を提供できるよう、生産から消費までいつまでもトレース(追跡)できる体制が必要だと考えられているからです。
医薬品の不動在庫(デッドストック)とは
主に流通業界などにおいて、長期間にわたって販売・出荷されないまま工場や倉庫に残っている在庫を「不動在庫(デッドストック)」といいます。
これを医薬品に置き換えると、処方されないまま使用期限まで貴重な保管スペースを占有し、結局は廃棄せざるを得ない可能性が高い在庫、ということになります。
不動在庫と滞留在庫の違い
不動在庫と似ている用語に「滞留在庫」がありますが、明確な違いがあります。滞留在庫とは出庫の見込みがない在庫のことで、医薬品でいえば処方される可能性がない在庫を指します。その理由として、品質の劣化や使用期限の切迫などが挙げられます。
不動在庫はまだ処方される可能性がありますが、滞留在庫はそうではありません。保管スペース確保の意味でも、処方ミスなど医療事故防止の観点からも、早々に処分したほうがいいでしょう。
不動在庫(デッドストック)はなぜ生まれる?
医薬品の不動在庫が生じる理由として、以下のような原因が考えられます。
- 使用量の見込みが甘い
- 新薬の登場で古い薬が処方されない
- そもそもの在庫量を正確に把握できていない
このような状況が結果として過剰発注となり、不動在庫につながります。
「在庫切れで患者さんに迷惑をかけるくらいなら、在庫を多めにしておいたほうがいい」という気持ちはわからないでもありませんが、明確な基準のない在庫管理は不動在庫を生む最大の原因だと考えましょう。
不動在庫(デッドストック)が発生した場合のデメリット
医薬品の不動在庫を抱えると、以下のようなデメリットがあります。
- 処方されない医薬品による保管スペースの無駄
- 棚卸資産の扱いとなるため税金がかかる
棚卸資産とはいっても、不動在庫ですから現金化は不可能です。つまり、不動在庫を抱えていること自体が資金繰りに悪影響を及ぼしているのです。
医療機関で行なわれている在庫管理の方法
それでは、実際に医療機関で行なわれている在庫管理の方法を紹介しましょう。
定数管理
部門ごとに医薬品や医療材料の保管数を決めておき、使用した分だけ補充する方法を「定数管理」といいます。在庫管理システムなどが導入されていない医療機関では、この定数管理がポピュラーな管理方法だといえるでしょう。
かんばん方式
物品にあらかじめ貼付しておいたカードやラベルシールを使用時に外し、それを回収して使用された物品を把握する方法を「かんばん方式」といいます。
用度部門や中央材料室では回収したラベルを集計し、使用した分だけ物品を発注するので、効率的な定数管理が可能です。
かんばん方式による物品管理は、ラベル貼付や回収・集計の手間や漏れ、使用から発注までのタイムラグといった課題があります。
物品管理システムやSPDも実はこのかんばん方式と基本的なしくみは同じで、前述の課題が解消されているというメリットがあります。
ノート・物品管理表を使った発注
在庫が切れそうな物品をノートや物品管理表に記入し、発注担当者がそれを見ながら発注するという方法もあります。
この方法はアナログな手作業ゆえに、下記間違いや記入漏れ・発注漏れ、二重発注といったミスが起きがちです。
在庫管理システムを使わずに在庫管理を行なうコツ
正確な物品管理はコストの削減や経営の健全化にもつながりますが、医療機関における物品管理は緊急時でも対応できるだけの物品の確保や、専門的な知識を要する医療機器の管理なども求められます。
ここでは、医療機関における物品管理の概要や実際の業務内容に加え、在庫管理システムを使わずに在庫管理を行なうコツについてもお伝えしていきます。
医療機関における物品管理の概要
医療機関における物品管理は、診療に用いられる医薬品や医療材料、事務用品など、現場で必要とされるすべての物品が対象です。
他の業界の物品管理と大きく異なる点は、第一に診療に用いられる物品が細菌やウイルスなどの感染媒体になり得ることです。滅菌処理をはじめとした定期的なメンテナンスは欠かせません。正確な物品管理によって、このような処理を適切なタイミングで実施できるのです。
また、高額な医療機器も多いことから物品管理のレベルは経営面の良し悪しに直結します。総じて医療機器は耐用年数も長いため、なおのこと医療機関では正確な物品管理が求められます。
実際の業務内容
それでは、医療機関における物品管理の具体的な業務内容をみていきましょう。
物品の使用量の確認
まず、医薬品や医療材料などの使用量を正確に把握することが物品管理の基本です。
その方法は一般企業と大差ありませんが、医療行為は患者さんの命にもかかわります。そのため、医療機関の物品管理は一般企業のそれ以上に正確さとスピードが求められるものだと心得ましょう。
物品の使用目的・使用状況などの詳細な情報を記録し、必要な物品が必要な患者さんに、必要な量だけ使用されているかを確認します。
物品の在庫の管理
物品の在庫量が適切に確保されているか、医療機器がどの部門に貸し出されているかなどを把握することも重要な業務のひとつです。また、医薬品や医療材料の使用期限をチェックしたり、医療機器に適切なメンテナンスがなされているかを確認したりするのも物品管理の業務に含まれます。
医療機器の貸し出しは、部門の担当者や返却期限などを決めることもルール化しておくべきです。責任の所在を明確にしておけば、物品の紛失や返却の遅延、私物化などの防止にも役立ちます。物品が高額であればあるほど、管理する項目も細かく決めておいたほうがいいでしょう。
発注内容の管理
医薬品や医療材料、医療機器の在庫量は、さまざまな状態の患者さんに臨機応変に対応できるように余裕をもっておくべきです。しかし、過剰な在庫量は経営に悪影響を与えるため、医療の提供に支障をきたさない範囲で適正に発注することが大切です。
長期間にわたって使用する見込みのない物品であれば、在庫しないという選択肢もあります。現時点で採用している物品でも、割安な代替品があれば発注先を見直すことも必要です。 このように常に発注内容を管理し、無駄をなくして業務の効率化を図ることが物品管理の肝となります。
診療報酬請求漏れ防止
医療機関の物品管理は、保険請求が可能かどうかで管理方法を明確に分ける必要があります。
厚生労働省が定める特定保険医療材料は健康保険が適用されるので、正しく診療報酬請求がなされるように関連部門への連絡が必要です。書類や伝票の記載漏れなどもチェックしなければなりません。その際には、医療スタッフや医事課職員との密な連携が不可欠といえます。
保険請求専用のラベルを用意するなど、請求漏れをなくす工夫が求められるところです。
物品管理は「ルール化」が大切
物品管理の効率化には「ルール化」が大切です。ルールが不明確だと物品管理の方法が統一されず、さまざまなミスが起こりやすくなります。
特に医療機関はシビアな在庫管理やメンテナンスが求められるので、スタッフが正確かつスムーズに物品管理をできるようなしくみをつくるべきです。医療機関の方針や現場の状況によっても変わりますが、以下のようなルールを採用している医療機関が多いようです。
- エクセルなどで物品管理表をつくり、手書きを減らす
- 物品の持ち出しを許可する人を決める
- 物品を持ち出す場合は日時と持ち出し者を記録しておく
- 物品管理に関するルールはすべてのスタッフに周知する
このように、医療機関のスタッフ全員が一定の基準に則って物品管理にかかわるルールをつくることが、在庫管理システムなしでも適正な在庫管理を実現するコツといえるでしょう。
SPD業務とは
SPD(エス・ピー・ディー)とは、「Supply=供給」「Processing=加工」「Distribution=分配」の頭文字で表された医療用語のひとつ。医療機関が使用する医薬品や衛生材料をはじめとする医療用消耗品の供給・在庫などの院内物流を、一括して管理する手法のことです。
現場面でSPD業務を見ると?
医療機関内の各セクションに必要な物品を必要な時に必要な量だけ供給するためのシステムがSPD業務の基本といえます。
物品の選定や購入方法・発注・納品・供給・仕様、補充などに関する一連の流れをITシステムで管理。トレーサビリティなどの安全性も確保しつつ、コストの削減や原価管理など病院経営の効率化にも寄与する物品・物流管理の仕組みと定義できます。
SPD業務の内容
SPD業務には、大きく以下の3つにわけられます。
物品管理
必要な物品を必要な時に必要なセクションで使えるように、在庫や供給、搬送、補充、品質、使用期限などを管理します。
購買管理
必要に応じた受発注だけではなく、適正価格の分析や交渉、商品の切り替え検討などを通じて購買価格を管理します。
その他
上記のほか、消費量データの管理や保険請求漏れのチェック、原価管理、納品時の検品、請求伝票の管理、医療消耗品の情報収集などもSPD業務に求められます。
SPD業務の課題
医療機関におけるSPD業務の課題として第一に挙げられるのがデッドストック対策。要は使用しないものを在庫しないということです。
反対に、頻繁に使用するものが在庫切れにならないよう、使用量の見込みは正確に把握しておかなければなりません。また限られた在庫スペースの中で運用するのもなかなか大変です。取引業者も多くなりがちで、だからといって業者の数を制限すると価格面などで競争原理が働かなくなるという問題もあります。
またSPD業務を外部委託する場合は、莫大なコストを要するケースがほとんどです。委託業者によっては物品の購買先が制限されており、自分たちで物品を選択できない場合も。病院側にSPD業務の知識や情報が薄いと、委託業者の言いなりになってしまう危険性があり、せっかくのSPD業務のメリットを十分に活かなくなってしまいます。それでは物品管理のノウハウも病院に蓄積されません。
もちろんSPD業務を自院で運用すればこのような問題は起こりません。しか、業務負担の大きさや人手不足といった面の課題があり、自院運用という選択肢が現実的ではない医療機関も少なくないでしょう。
SPD業務の課題解決方法・SPD(院内物流管理システム)とは
SPDを導入する主な目的は、医薬品などの医療消耗品を安定的に現場へ供給し、過剰な在庫や使用期限切れ製品の誤使用を防止することです。また購入価格の適正化や、デッドストックの削減にも効果が期待できます。
材料管理の適正化
SPDの対象は、医薬品や衛生材料だけではありません。細かく見ていくと、試薬や滅菌・再生品、手術器械・小物、ME機器(医用工学機器)のほか、現場で使用する文具や日用雑貨、印刷物などの事務消耗品なども対象にする医療機関も多くあります。通常の運用は院内のITシステムを利用することで、発注から供給、補充までの一連の流れを管理します。
サプライ担当スタッフの負担軽減
従来の医療機関における物品管理では、各セクションに一定数の在庫を確保するために動きます。例えば週に1度といった間隔でサプライ担当部門に不足物品を請求し、供給を受けるというスタイルが一般的でした。しかし、この方法だと各セクションのスタッフが定期的に在庫をチェックしなければなりません。特に専門職にとっては、メイン業務の合間にこうした作業を行なうのは大変です。実際に病棟の看護師さんなどは交代勤務が基本ですから、勤務体系の問題から完全に管理することは難しいでしょう。こうした負担を軽減できるのがSPDです。
SPDの形態
SPDの形態は大きく3パターンに分けられ、自院で運用するケース、物流管理のみを委託するケース、物流管理も購買も一括して委託するケースがあります。
自院で運用する場合は、当然ながらシステムの導入と人員の確保を自院で行なわなければなりません。それに要する労力やコストが委託する場合を下回るかどうかが判断のポイントです。
また在庫スペースの問題が解決しないこと、発注や支払いといった管理部門の業務は軽減できないことから物流管理のみを委託するケースはそれほど多くありません。
もっとも多いのは物流管理も購買も一括して委託するケースで、医療機関スタッフの業務負担軽減、在庫負担の軽減など、SPD業務に精通した業者に委託するメリットは大きいといえます。
SPD(院内物流管理システム)を導入するメリット
在庫管理が正確かつ容易
これまでの物品管理の方法では、スタッフが一つひとつ在庫をカウントしなければなりませんでした。しかしSPDではバーコードをハンディターミナルで読み取るだけで簡単に在庫数を把握できます。実際の運用では納品時に物品の情報をシステムに登録し、バーコードラベルを貼り付けます。その物品を使用したときにラベルを読み込めば、何をどのくらい使ったのか一元的に管理できるのです。現在は医療用物品に厚生労働省が認可した商品マスタがついているので、外部からそのデータをまとめて取り込んでしまえば、新規物品の納品のたびにいちいち情報をシステムに登録する手間はかかりません。
物品のロット番号や使用期限といった情報も一括して管理できるので、その確認に要していた時間は大幅に削減が可能です。使用期限が近い物品もチェックし、廃棄処分を防ぐことにも役立ちます。また普段はあまり使わない特定ロットの物品を別の場所に保管してあっても、いざという時に即座に探せます。
SPD業務の導入で正確かつ容易な在庫管理が実現すると、そこは病院の物流をコントロールするターミナル部門となります。しかし在庫管理がうまくいかない場合、そのスペースは単に物品を保管しておくための倉庫になってしまいます。自院のムダを作らないためにも、SPD業務は効率化する必要があるのです。
在庫の適正化
SPDを導入することで物品の同一規格品コードを読み込み、同じ規格の物品を制して採用品目数を最小限にできます。その結果、在庫スペースを有効に活用できます。運用を外部業者に一括して委託する場合は、在庫管理も業者に任せます。物品を使った分だけ補充するので、この場合は院内に在庫を抱える必要がなく、在庫切れの問題も起こりにくくなります。
また物品使用データを一元的に管理するので、各セクションにおける使用量の傾向も把握できます。その情報をもとに、使用頻度の低い物品は補充を少なくするなど、現状に合った在庫の適正化を図れます。これまで過剰に投入してきた物品購入費が明らかになれば、それを有効な資金として必要な部門に運用できるでしょう。
保険請求(レセプト業務)の正確化
SPDのメリットは、現場での作業負担軽減だけではありません。医事課における保険請求(レセプト業務)の正確化にも大きな効果があります。特にSPDとレセコン(レセプトコンピュータシステム)を連動させれば、SPDの患者別材料使用データとレセコンの維持請求データを突合することで保険請求漏れの防止が可能です。
SPD業務の意義
SPD導入のメリットとして在庫管理や保険請求漏れ防止などを挙げましたが、医療機関全体におけるSPD業務の意義として考えられるのは、物品搬送の体系化を実現することではないでしょうか。
物品の定数や供給のシステムを明確にすることで、物品搬送の体系化を図って院内の物流を組織的に把握できます。またサプライ部門と消費する部門の人と物品の流れを整理し、院内全体の動線を効率的に見直すことも可能でしょう。サプライ部門の業務内容や責任体制も確立できるので、スタッフのコスト意識改革を促し、さまざまな業務改善にもつながりそうです。
SPD業務のやりがい
SPD業務の中で、やりがいを感じる瞬間は多々あると思われます。一番は、さまざまな物品の管理・供給を担当することで院内の物流が見えてくる面白さにあるのではないでしょうか。
そしてSPD業務は、在庫管理のほかにも蓄積されたデータを分析・活用することで、病院経営に役立つ提言もできる重要なポジションです。院内の各セクションとスタッフとコミュニケーションを取る機会も多いため、幅広い医療の知識を身につけることもできるでしょう。
SPD業務の特性上、細かい作業をコツコツこなすのが好きな人や、多職種のチームワークを大切にする人、先を見越して計画的に仕事を進めていきたい人、そして身体を動かすのが好きな人もやりがいを感じやすいかもしれません。













