医療機関のIT導入補助金について
目次
IT導入補助金とは
通常枠
IT導入補助とは、ITツールを導入して業務効率が上下する際に、ITツールの導入費用を一部負担するというものです。IT導入補助を受けるには審査を通る必要があり、申請が認められて初めて補助金が受け取れます。対象となるITツールにも制限があり、導入を検討しているサービスやソフトがIT導入補助金の導入対象でなくてはなりません。
そして、IT導入補助金は大きく分けて4つの型に分類されており、その一つが通常枠です。通常枠は生産性の向上の見込みがあるITツールを補助対象としています。通常枠はA類型とB類型とに分類されているのが特徴的で、A類型は顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収管理、調達・供給・在庫・物流など、指定されている6業務プロセスのうち1つ以上の業務を担っているのが条件です。
一方で、B類型はA類型と同じ業務プロセスに汎用・自動化・分析ツールを加えた7プロセスのうち、4つ以上の業務を担っている必要があります。A類型とB類型では補助額が異なり、A類型の補助額の範囲は30万円以上150万円未満、B類型の補助額の範囲は150万円以上450万円以下。なお、補助率はA類型、B類型ともに2分の1以内です。
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/overview/)
セキュリティ対策枠
セキュリティ対策を目的にITツールを導入したとき適応されるセキュリティ対策枠。「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」にて独立行政情報処理推進機構が発表しているサービスを利用しているのが補助を受ける条件です。「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に公表されているサービスであれば、どのサービスを利用していても対象になります。補助額の範囲は5万円~100万円で、最大で2年分サービス利用料を補助。利用率は2分の1となっています。
セキュリティ対策枠はサイバー攻撃を支援するための枠なので、活用すればサイバー攻撃を検視したり対処したりする保険費用も受け取れます。セキュリティ対策枠の良いところはIT導入補助金と併願できること。ただし、併願にはソフトウェアのプロセスが被っていない必要があるので要注意です。また、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っていないサービスもセキュリティ補助の対象外となるので、申請前によく確認しておきましょう。
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/security/)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は企業間の取引効率を向上させる際に受け取れる補助金です。利用できるシーンはパソコンやタブレットなどを購入した際や、ソフトウェアやクラウドの利用料など。5万円~350万円の補助を受けることができ、50万円以下の場合は4分の3、50万円より上の場合は3分の2が補助率となっています。
デジタル化基盤導入類型を導入するメリットは、この補助率の高さにあります。補助対象は通常枠のA類型と同じですがA類型よりも多額の補助を受けられるのです。加えて、通常枠では対象に含まれないハードウェアの導入費用も補助になっているため、会計や決済系のシステムをすべて新しくしたいと考えている方は、特に利用すると良いでしょう。
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/first-one/digital-type.html)
デジタル化基盤導入類型(複数社連携IT導入類型)
複数の企業が連携してITを事業に取り入れる際に利用できるデジタル化基盤導入類型(複数社連携IT導入類型)。地域のDXの取り組みを支援するための補助金です。システムを導入する費用以外にも、消費行動を分析する際や団体運営にかかる事務費、専門家への謝礼や旅費にも適応されます。補助率はデジタル化基盤導入類型と同様ですが、分析費用は補助率3分の2で3,000万円が上限、事務費や謝礼は補助率3分の2で200万円が上限です。
そして、複数社連携IT導入類型の魅力は、会計や決算系のシステムだけでなく生産性を向上させるのに役立つソフトウェアやハードウェアも補助の対象に含まれている点です。個別で運営している店舗や事業では大規模なDXシステムの導入が難しいですが、複数社連携IT導入類型は補助額が大きいため導入できます。賃上げ目標をしなくてよくなるのは嬉しい要素でしょう。
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/multiple-type/)
IT導入補助金の対象となる医療機関
IT導入補助とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に費用を負担してサポートする取り組みのことでした。IT導入補助の対象の中にはクリニックも含まれており、対象となる医療機関があります。ただし、IT導入補助を受けるには審査を通らなくてはなりません。IT導入補助には利用条件が定められており、条件は以下の通りです。
- 日本国内に法人格を持つ中小企業
- 常時使用する従業員の数が300人以下
- 1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上(過去にIT導入補助金を利用している場合には、1年後の伸び率が4%以上、3年後の伸び率が12%以上
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/overview/)
医療業界では人手不足が深刻化し、医療機関の負担に対する早急な対応が求められています。そのような背景の中、デジタル化の推進は業務効率を上げ、経営力アップを後押ししてくれるでしょう。国はIT導入補助を行うことでITを導入しやすい環境づくりを手助けし、ITに精通している支援事業者と企業を結び付ける役割を果たしています。
IT導入補助金の対象となるツールとは
IT導入補助金利用するにあたり、最初に導入したいツールを選択する必要があります。あくまで補助対象となるITツールは「労働生産性の向上に資するITツール」で、医療業の業務固有プロセスが通常枠に記載されています。
例えば、電子薬歴や訪問診療、訪問薬剤管理、医療デジタル画像管理、オンライン診療システム、入院情報管理、NST支援、象者状態管理、見守りシステム、ME機器管理、生体検査等管理、看護必要度分析、病院経営分析などです。これらのITツールは業務固有プロセスですが、他にも会計やマーケティングなどが該当する業種共通業務プロセスもあります。病院でレセコンや電子カルテを導入したり、自動化ロボットを導入したりすると、IT導入補助金の対象になるということです。
なお、公募要領を見るだけでは概要だけしかわからず、ITツールの詳細までは分かりません。そこでおすすめなのが、IT導入補助金の公式サイトに設置されている検索ページ。これを活用すれば登録ITツールを検索できます。使用したいツールがIT導入補助金に登録されているか簡単にチェックできるでしょう。導入したいITツールがまだ決まっていない方は、過去のIT導入補助金の活用事例も掲載されているので、参考にしてみてください。
IT導入補助金を申請する際の注意点
IT導入補助金を申請する際に気を付けなくてはならないのが、補助内容がITツールとハードウェアとで違うことです。ITツールの場合、補助額5万円以上50万円以下の場合の補助率は3/4以内、補助額50万円超350万円の場合の補助率は2/3以内。ハードウェアの場合、PC・タブレットなどの補助額は10万円まで、レジ・券売機などの補助額20万円までと定められています。どの型に当てはまるのか、どの枠組みで申請するのかよく検討しなくてはなりません。
加えて、申請には期限があるのも注意点の一つ。提出物を発行するのにも時間がかかり、発行期限もあるため注意しましょう。身分証明書や住民票、所得税納税証明書、所得税確定申告書Bなど必要書類は多岐に渡ります。余裕を持って準備するのが大切です。
参照元:IT導入補助金|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
(https://www.it-hojo.jp/overview/)
IT導入補助金の流れ
IT導入補助金の交付申請は、まず導入したいITツールを選ぶところから始まります。導入するITツールを決めたら、ITベンダーと共同で申請を作成しましょう。交付申請を行い、審査に通ったらITツールを購入する段に移ります。ITツールの導入や運用を報告し、補助金が交付される、というのが大まかな流れです。
ここで抑えて得おきたいのが、審査に通ってからでないとITツールを導入できないことです。交付申請前に導入しているITツールの交付申請はできないため要注意。なお、申請スケジュールが定められており、一定の期間内に申請を終わらせる必要がありますが、スケジュールはIT導入補助金Webサイトで常時更新されています。最新のものをチェックしましょう。
そして、申請が通ると「採択」が通知されます。通知が届いたら契約書や支払いを行った証拠書類を提出し、申請したITツールを導入したことを証明しなくてはなりません。業実施期間内に行うのがポイントであり、申請は申請マイページより行えます。マイページに証憑を添付し、必要情報の入力を行います。最後にIT導入支援事業者を確かめ、IT導入補助金事務局に事業実績報告を提出し終了です。
まとめ
電子カルテや電子薬歴、レセコン、オンライン診療システムなど、ITツールをまだ導入していないクリニックは、IT導入補助金を有効活用して導入を検討するのがおすすめです。スケジュールに沿って手続きを踏む必要がありますが、準備さえしっかり進めれば開業準備を軌道に乗せるのに役立ちます。ITツールを導入すれば、より柔軟な診療方法を提供できます。自院に合ったツールやIT補助金を探してみてください。
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