管理すべき品目
目次
病院物流管理では、病院が使用・消費する物品の選定、発注から在庫・払出・使用・消費・補充に至る一連の物品の流れを管理する必要があります。
ここでは、病院物流管理における支出削減における重要品目をまとめています。
医薬品・医療材料の購入額は上昇傾向

独立行政法人福祉医療機構が公表した「2020 年度(令和 2 年度) 病院における医薬品・医療材料・医療消耗器具備品の購入に関するアンケート結果」によると、
2017年度から2019年度の3年間における医療材料・医療消耗器具備品の購入額が「増加した」と答えた病院が50%以上と、多くの病院が材料費の上昇に苦慮していることが分かっています。
病院運営のために「適正管理・購入額低減」がキーワードに
医薬品・医療材料費の増加は、院内の医療機能の変化などの内的要因もかかわっていますが、市場価格の上昇などの病院独自では変えようのない外的要因も多く含まれます。
医療材料費は、病院の支出において、人件費の次に大きな項目となります。
そんな支出の柱の金額上昇は、病院運営にも影響を与えてしまう可能性が大いにあります。
アンケートを実施した福祉医療機構も「病院を運営するために必要な利益を確保するためには、医薬品等の購入額・購入量の適正化へ向け継続的に取り組む必要がある」と指摘をしています。
病院の物品管理で行うべき内容
病院の物品管理は、通常の業種の物品管理とは異なる内容があります。
ここでは、病院の物品管理で行うべき消費量の確認や在庫管理、購買内容の管理について詳しく解説していきます。
物品の消費量の確認
物品の消費量とは、医療機器や医療材料の消費量のことです。消費量の確認方法は、基本的に一般企業と変わりません。利用状況や利用する目的など、物品に関する詳細情報を記録として残すのが主な流れです。
ただし、病院などの医療機関では患者の命がかかっています。病院の物品管理では、一般の企業よりも迅速さと正確さが求められるでしょう。
必要量の物品があるか、その物品を必要としている人に適切な量が使われているかを、いつでも確認できるようにしっかりと記録に残す必要があります。
物品の在庫管理
必要量の物品がしっかりと在庫として確保されているか、医療機器が現在どこに持ち出されているかなどを確認するのが在庫管理です。医療材料の使用期限が残っているか、医療機器のメンテナンス状況は適切かを把握するのも在庫管理業務のうちに入ります。
例えば医療機器を貸出ている場合、貸出機器の在庫管理は、機器の所在だけでなく貸出している相手や返却期限などもチェックするようにしてください。所持している人と物品の所在を明らかにすることで、紛失や返却忘れ、私物化などを防ぐことにつながります。
基本的に医療機器は高額なことが多いです。紛失だけでなく、盗難が起こらないとも限りません。「どこへ行ったか分からない…」ということがないよう、管理チェックの項目を細分化して、正確に管理するようにしましょう。
購買内容の管理
購入した物品の内容や数、購買日などを正確に管理しておけば、効率よく発注業務を行えます。とくに医療機器や医療品は、患者の容態の変化や増減に備えて、十分な在庫量を確保しておく必要があります。
とは言え、病院の経営上、限度を超えた無駄な支出も避けなくてはなりません。
医療の質も患者の満足度も下げない程度に、適正な購入量を維持することが求められます。
「あると便利だから」といって購入したものの、長期間使われていない物品はないでしょうか。無駄な発注が発覚した場合は、適切な在庫量を算出して発注を最適化しましょう。使用頻度が低い物品や過剰なストックと見られる在庫があれば、購入しない方がよい場合もあります。
使用頻度は低くても確実に使用する物品であれば、今よりも低コストのものを探してみるなど、代替品の購入も検討してみると良いかもしれません。
請求などの業務漏れの防止
物品管理では、保険請求ができる物品とそうでない物品を明確に分けておきましょう。
「特定保険医療材料」の対象となる物品には、診療報酬請求や書類への記入が必要です。診療報酬請求の点数付けが間違っていないか、書類に記入漏れがないかなどをチェックしなくてはなりません。
医師・看護師間のコミュニケーションを密にする、専用の保険請求ラベルを利用するなどで伝達ミスや請求漏れを防ぎましょう。
「適正管理・購入額の低減」のためにも物流システムの導入を
適正化の具体策として挙がるSPDの業者委託ですが、アンケート内では導入している病院は約4割。
予算の関係上、なかなか外部に委託をするのが難しいというのも実情としてあるのかもしれません。
しかし、病院職員による管理は現場の負担を増加さえ、医療の質の低下にも直結しかねません。
だからこそITシステムを導入し、負担を押さえつつ病院内で管理をすることで、病院内に支出の管理のナレッジを蓄積していき、継続的な取り組みをしていくことが重要です。
情報参照元:独立行政法人福祉医療機構「2020 年度(令和 2 年度) 病院における医薬品・医療材料・医療消耗器具備品の購入に関するアンケート結果」[pdf](https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/210310_No014.pdf)
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